アメリカのファイザー製ワクチン＝AFP/TTXVN

新型コロナウイルスワクチンの特許権の取り扱いを協議してきたWTO＝世界貿易機関の関連会合は20日、継続審議を決めました。9月の非公式会合で議論を再開しますが、特許権の放棄をめぐっては反発も強く、進展は見通せない状況です。

ワクチンをめぐっては、インドと南アフリカが2020年10月、途上国でも生産が可能になるよう製薬会社が持つ特許権を一時的に放棄するよう提案しました。これに難色を示すEU＝欧州連合は6月、生産国による輸出規制を最小限にとどめることなどを柱にした代替案を示しています。

交渉関係者によりますと、20日の会合では世界のすべての人に高品質で安全、安価なワクチンを供給するという目的では一致したものの、「最も効果的な方法は何かという基本的な問題では意見の相違が続いている」ということです。一時放棄に理解を示す参加国の中にも、特許を放棄する期間や透明性をどう確保するかなどを巡って懸念が示された模様です。（毎日新聞）